
はじめに:リフティングの重要性とメリット
サッカーの技術向上において、リフティングは欠かせない基礎練習です。多くの一流選手が必ず通ってきた道であり、ボールコントロールの基礎となる技術といえるでしょう。
リフティングは単なる遊びや見せ技ではなく、サッカーに必要な様々な技術を鍛えることができる効率的な練習方法です。ボールと足の感覚を磨き、正確なタッチを身につけることで、キックやボール扱いが格段に向上します。また、利き足だけでなく両足でのコントロールが必要になるため、左右のバランスが取れた技術を習得できます。
さらに、リフティングを継続することで得られるメリットは技術だけにとどまりません。一定のリズムを保ちながら集中力を維持する能力、体幹の安定性とバランス感覚、そして何より諦めずに継続する精神力も同時に鍛えられます。これらの要素は全て、サッカーをする上で必要不可欠な能力として活かされていきます。初心者から上級者まで、レベルに関係なく継続的に取り組むことで、必ず技術向上につながる基礎練習といえるでしょう。
リフティングで得られる効果
リフティングを継続的に練習することで、主にキック精度、バランス感覚を同時に向上させることができます。地面にボールを落とさない中で、ボール落下予測能力の向上にもつながります。
ボールタッチとバランス感覚の養成
リフティングは単なるボールコントロールの練習ではありません。片足立ちの状態を長時間維持することで、軸足でのバランス感覚が自然と身につきます。
この感覚は、実際の試合でドリブルやキックを行う際に必要な身体の使い方そのものです。安定した軸足があることで、相手の不意をつくプレーや正確なパスが可能になります。
正しい基本姿勢とボールの蹴り方
正しい基本姿勢を身につけることが、リフティング上達への第一歩となります。姿勢が崩れていると、どれだけ練習を重ねても思うように成長しません。
インステップキック(足の甲)を使った基本的なリフティング技術
リフティングでは、足の甲の平らな部分を使ってボールを蹴ることが基本です。この部分は最も安定してボールをコントロールできる箇所といえます。
足の甲でボールを捉える際は、つま先を伸ばすことを意識しましょう。接触面積が大きいほど、ボールの軌道が安定し、次のタッチへの準備時間も確保できるようになります。
ポイント1 ボールの回転を意識する
理想的なリフティングでは、足首を伸ばし、インステップキックでボールに無回転になることが望ましいとされています。無回転は、ボールの軌道を安定し、落下点が読みやすく、次のタッチがしやすくなります。
不規則な横回転がかかっている場合は、ボールタッチの位置や足の角度に問題がある可能性があります。ボールの回転を見ることで、自分のタッチを確認することが重要です。
ポイント2 リズム良くボールを蹴る
リフティングにおいて、一定のリズムを保つことは非常に重要です。焦って速いペースで行うと、正確性が失われてしまいます。
最初はゆっくりとしたペースで、確実にボールをコントロールすることが大切です。
回数をこなし慣れてきたら、徐々にリズムを上げていくことで、より高度なリフティング技術を身につけることができます。
ポイント3 足首を固定する
膝の角度は、ボールにタッチする瞬間に適切に調整する必要があります。膝が曲がりすぎていると力がうまくボールに伝わらず、伸ばしすぎるとイレギュラーなボールへの対応が遅れます。
足首は固定を意識することが大切です。足首がグラグラと動いてしまうと、ボールに伝わる力の方向が一定せず、思った方向にボールが飛んでいきません。
ポイント4 毎回同じポイントに当てる
ボールの同じ箇所に、足の同じ部分を当てることで、リフティングの精度が格段に向上します。この一貫性こそが、長時間のリフティング継続を可能にする秘訣です。
最初のうちは意識して同じポイントを狙い、徐々に無意識でもできるよう体に覚え込ませていきましょう。反復練習により、自然と正確なボールタッチができるようになります。
ポイント5 腰から胸の高さのボールを蹴る
ボールを蹴り上げる高さは、腰から胸の間が最適です。この高さであれば、次のタッチまでの準備時間を十分に確保でき、安定したリフティングが可能になります。
高く上げすぎると落下速度が速くなり、低すぎると準備時間する時間がなくなってしまいます。適切な高さを保つことで、リズミカルなリフティングができるでしょう。

練習方法
段階的に難易度を上げながら練習することで、効率的にリフティング技術を向上させることができます。基礎から応用まで、体系的にアプローチしていきましょう。
ワンバウンドリフティング
リフティング初心者には、ワンバウンドリフティングから始めることをおすすめします。ボールを一度地面でバウンドさせてからタッチするため、準備時間を十分に確保できます。
手でボールを地面に落とし、ワンバウンドしたボールをタッチします。タッチしたボールが再びバウンドしたら、また足でタッチするという流れを繰り返します。
この練習により、ボールタッチの感覚を徐々に養うことができるでしょう。10回、20回と徐々に回数を増やしていくことで、確実にスキルアップできるようになります。
ノーバウンドリフティング
ワンバウンドリフティングに慣れてきたら、通常のノーバウンドリフティングに挑戦しましょう。地面にボールを落とすことなく、連続してタッチし続けるリフティングです。
最初は10回程度を目標に設定し、慣れてきたら50回、100回と段階的に目標を上げていきます。100回連続でできるようになれば、基本的なリフティング技術は十分に身についたといえるでしょう。
両足を使ったり、太ももや頭でのタッチも交ぜることで、より実践的な技術が身につきます。
テニスボールでリフティング
上級者向けの練習として、テニスボールを使ったリフティングがあります。サッカーボールよりも小さく軽いテニスボールは、より高い精度を求められる練習方法です。
ボールの種類 | 直径 |
サッカーボール(5号球) | 22cm |
テニスボール | 6.5〜6.9cm |
テニスボールでのリフティングができるようになると、サッカーボールでのボールタッチが格段に楽に感じられます。ボールの中心を正確に捉える能力が向上し、試合でのプレー精度も高まるでしょう。
まとめ
リフティング上達のポイントは、正しい姿勢の習得と継続的に同じポイントでボールをタッチすることにあります。一朝一夕では身につかない技術ですが、毎日少しずつでも練習を重ねることで必ず上達します。
最も重要なことは、リフティング自体を目的とするのではなく、サッカー全体の技術向上のための手段として捉えることです。強いシュートや正確なパスといった具体的な目標を持ちながら、リフティング練習に取り組んでいきましょう。
継続は力なり。毎日10分でも15分でも、コツコツと練習を積み重ねることで、必ずリフティング技術は向上します。そして、その技術はサッカーの様々な場面で活かされることになるでしょう。